こんなご本を読みました2014年版(活字編2) [読書/感想/レビュー]

続き。
 
■海外文学
・現代文学への入り口
オースター『幽霊たち』

 
 
ブルー、ホワイト、ブラック。色の名前のついた登場人物。主人公の探偵に舞い込む不思議な依頼。現実と幻想が入り交じる不安な探偵小説。オースターはもっと読んでいきたい作家。
 
 
ジャック・フィニィ『盗まれた街』
 

 
医師である主人公のもとに奇妙な患者が現れる。なんでも肉親が偽物になってしまったというのだ…! 見知らぬものに侵略されていく恐怖を描くSF。邦題のセンスが素晴らしい。


ハインライン『ルナ・ゲートの彼方』
 

 
SF版「二年の休暇」。帯:「ひどいよハインライン!」。お察しを。


・短篇の楽しみ
コッパード『郵便局と蛇』
 
 
 
そこまで刺激的ではないけれど、なんとなく心に残る不思議な雰囲気の短篇集。「若く美しい柳」の最後の一文のためだけにこの本を買ってもよい。


サキ『サキ傑作集』
 
 

傑作「開かれた窓」。皮肉っぽい作風が多いが、個人的には次のルヴェルの方が好み。


ルヴェル『夜鳥』
 

 
人生の悲劇と喜劇、あるいは皮肉に満ちた短篇集。訳が古いのが良いが、若い人には読みづらいかも。名作「幻想」「或る精神異常者」のほか、「犬舎」「孤独」「フェリシテ」「ピストルの蠱惑」などなど。


パトリック・マグラア『血のささやき・水のつぶやき』
 
 

 
春日武彦の本(後出)で「長靴の物語」が紹介されていたので購入。他の話は個人的にはあまり好みではない。だけれど、「長靴の物語」のラストは本当に素晴らしいのでそのためだけにこの本を買ってもよい。


・異国の果実
パヴェーゼ『故郷』
 

 
イタリアの作家、パヴェーゼ。大学時代に交流のあったイタリア文学の先生がたいそう薦めていらっしゃった。次は『美しい夏』を読む予定。


ヴェルメシュ『帰ってきたヒトラー 上下』
 
 

もしも現代ドイツにヒトラーが蘇ったら? 生き返ったヒトラーが「ヒトラーの物まねをする」コメディアンとして成功していく姿を描く、タブーすれすれの問題作。この小説がドイツから登場したことに衝撃。上下巻ですがあっさり読めます。


カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)


 
来たるべきときを自覚ないまま過ごす日々、受け止められないまま過ぎていく日々。避けられない運命の中に見出す希望、そして……。そんなお話。


・古典
ヘンリー・ジェイムズ『ねじの回転』
 

 
ゴシック小説の古典。もやもや感漂う読後感なのですが、もう一読すると全体像が見えてくる?
 

カミュ『異邦人』
 

 
「太陽のせい」。
 
 
ルルー『オペラ座の怪人』

 
 
ミュージカルの方を見たので着手。だいぶ冗長なので、別段読んで新しい発見があったかというと、特に。

 
アゴタ・クリストフ『悪童日記』

 
 
これはヒット。できるだけ情感を排した簡素な文体で描かれる生々しい戦時下の生活。三部作の続きにも手を付けたいところ。


ウェルズ『モロー博士の島』
 

 
古典というのはだいたいタネが割れていて、今更感漂うのだが、やはり選り好みせずに読んでみるものである。十九世紀末にこの小説が書かれたことを鑑みれば、ネタバレ後の展開およびラストが素晴らしいのでおすすめ。
 
 
ガルシン『紅い花』


 
形容しがたい。お読みください。
 
 
ボッカッチオ『デカメロン 上下』
 

 
ペストで街から避難した十人の男女が一同に会して話をしあうという枠物語。説話や頓知、猥談なんかもあって意外と面白い。この河島訳では一部割愛されていたので今度全部読みたいところ。
 
 
シェイクスピア『ハムレット』


 
言わずと知れた四大悲劇のひとつ。引用の宝庫。悲劇の王子ハムレットが、王位を簒奪した叔父クローディアスに復讐する。戯曲であり、意外と読みやすい。
"「ホレイショー、天と地の間にはお前の哲学では思いも寄らない出来事がまだまだあるぞ。」"

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