『裏口からの作曲入門』(レビュー) [読書/感想/レビュー]

小人閑居して何とやら。
やはり暇をもてあますと駄目ですね、堕落して。

先週ブックオフでこの本を買ったので、いつぞやのエントリで書いたようなレビューなんてのを試しにやってみました。

普段文章を書かないものだから退化しているね、なんて思ったり。
気まぐれにやってみただけだから、必ずしも続くというわけではないですよ。


裏口からの作曲入門―予備知識不要の作曲道 (I・O BOOKS)

裏口からの作曲入門―予備知識不要の作曲道 (I・O BOOKS)

  • 作者: 御池 鮎樹
  • 出版社/メーカー: 工学社
  • 発売日: 2006/08
  • メディア: 単行本


スケールからコード・リズム・ベース・アレンジまで広く丁寧にカバーする入門書。楽譜レベルでの作曲の基礎を押さえるのに有用。
実践は最良の教師という感じで、どちらかといえば「覚える」ことよりも実際に「作ってみる」ことに重点を置いています。「これこれはこういう効果がある」というような記述が多いのも使いやすくてよさそう。

「裏口から」などと言いながら、エッセンスを押さえているように思う。実際、かなり正統派であるような感じがしないでもないような(確かにクラシックの作曲から見れば「裏口」かもしれないけどさ)。
コードをベースとした作曲というふうに銘打っていますが、内容的には機能和声の入門みたいな感じです。ダイアトニックの枠に収まってるので。

ポイント:
①リズム、ベースについて多く紙面が割かれている
私はジャズはもちろんのこと、ポップスもあまり聴かないで育ったので、リズムやベースを作るのにかなり苦労します。
入門書は数あれど、リズムセクションやベースラインを実際にどう作るか、っていうのまで踏み込んで書いている入門書はなかなかないように思います。

②わかりやすい構成
さすが工学社だけあって、わかりやすい参考書というような構成です。まず読みやすい、というのがポイント高いですね。教科書にありがちな、ただ単に用語を羅列する、というのではなくて、ちゃんとしたイントロの後に内容が説明される、っていうのがわかりやすいと思う。いい先生の講義ってこんな感じじゃないでしょうか。
あと、細かいところですが煩雑な「基礎知識」を後に持ってくるという構成も気が利いていると思います。先に「~とは」というような基礎知識を大量に提示されると頭の中で情報が飽和してしまいますから。

③かゆいところに手が届く?
いくつか、「うーむ」と感心せざるを得なかったところがあります。
まず“曲の基本は「繰り返し」”。ああ、これぞ作曲のエッセンス! あまりにも基本的といえば基本的であり、当然といえば当然。でもだからこそ逆に見落とされがち。繰り返しを使うにせよ使わないにせよ常に意識はするべき。
“「同音連打」を恐れない”。「メロディ作りに役立つテクニック」の中の一節ですが、つい「あるあるw」とついうなずいてしまいました。このようなこまやかな部分の気の使い方がいいですね。

難点:
あまり難点といえるほどのものはありませんが…

・たまに「?」となるような言葉とかたとえとか表現とかがある
これは読む人によるとは思うんですが、たまにちょっとわかりにくい、って部分がある。そこがちょっともったいないな~

あと、注意すべき点は、あくまで曲の「作りやすさ」を重視しているために、理論に関する説明などはかなり簡略化されています。ですので、ちゃんと理論を覚えたいぜ、っていう人はもう一歩進んだ本を買うのがいいように思います。
5/9追記→言い忘れてましたが、あくまで基礎なのでこれを読んでもあんまり高度なことはできません、あしからず。




読者層:
入門~初級ぐらい?
音楽は好きだけど、作曲ってしたことない…コードっておいしいの? って人は定価で買っても問題ないでしょう。リズムやベースをそろそろ自分で作ってみたい、って人はまあ古本で買うぐらいでいいのかも。
コードを理解していて、リズムもベースをそれなりに作れるっていう人はおそらく買う必要はないでしょう。

※『裏口からの作曲入門』(平成18年 8月20日発行)を参考にしました。内容が改訂されている場合もあるのでご注意ください。

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