四度と半音の魔法/呪縛 [Tips for DTM/作曲など]

作曲関係について。
外が暴風雪で外出できないのでちょっと書いてみたり。

別にスランプ、ってわけじゃないんだけど少々模索中なのです。
というのは、自分の作品に四度進行とか半音進行とか使いすぎて
マンネリになってきつつあるのかも、と感じているから。
(四度進行と半音進行の解説についてはメモを読んでいただければ)
それが自分の個性、って言い切ってしまえれば簡単なんだけど
便利なものにあまりに頼りすぎている感があるんだよなあ…。

四度進行とか使わない、っていうのはたぶん無理だけど
作曲する際に「使いすぎるとマンネリになる」ってことに気を
つけないといけないといけない。
まあ、安易な妥協はしない方向で。

※ちょっと理屈っぽいので、興味がある方だけどうぞ。
四度進行と半音進行

コード進行(和声進行だったかな?)の形態の一つで、
バスが「四度上行または五度下行」を繰り返すのが四度進行、
バスが「半音下行」を繰り返す、または「半音上行」を繰り返すのが半音[階]進行。
っていってもまだわかりにくいのでそれぞれについて解説(結構アバウトに)。

・四度進行
バスが「四度上行または五度下行」を繰り返す

「度」というのは、二音間の音程関係の単位です。
たとえば、ハ長調(ドレミファソラシドの音階)で、ドを基準にして考えると、

表①
ド(1) レ(2) ミ(3) ファ(4) ソ(5) ラ(6) シ(7) ド(8)


かっこ内の数字が~度にあたるわけです。
だから、ドとミは三度、ドとファは四度の音程関係にあるということです。
(実は、さらに細かい区分「長」「短」「増」「減」が接頭辞としてつくのですが、今回は省略)
で、四度上行というのは、「ある音から四度上にあがること」ですから、ドを基準にして、表①でみれば、
「ドからファに上がる」という移動になります。
では五度下行は? とすると「ある音から五度下にさがること」です。
今度は上のドを基準にして表①を書き直してみます。

表②
ド(8) レ(7) ミ(6) ファ(5) ソ(4) ラ(3) シ(2) ド(1)


したがって、ドを基準にすれば、ドからファへ「下がる」という移動になります。

ん? これって、結果的には四度下行と同じじゃね?

そう、四度上行も五度下行も、音名としてはまったく同じ移動(ドからファ)なのです。
違うのは、単に移動の方向(上がるか下がるか)だけです。

まあ、これでだいたい四度進行がどういうものかはつかめたでしょう。
以下では実例を挙げます。

私は基本的に短調しか使わないので、ここからはイ短調(ラシドレミファソラの音階)を
使って解説します。
ラからはじめて四度進行していくと…

ラ→レ→ソ→ド→ファ→シ→ミ→ラ

というふうになります。では、これに和音を乗せてみると……



ラ(Am)→レ(Dm)→ソ(G)→ド(C)→ファ(F)→シ(Bm-5)→ミ(E)→ラ(Am)

※短調なので、ここはEmでなくEを採用しました(詳しい解説は省きますが)。

という風になります。おお、どこかで聴いたことあるような響き?
それもそのはず、この進行は非常に便利なので、形を変えていろいろな曲に紛れ込んでいたりします。
作曲途中で迷ったら、とりあえず使ってみる、っていうぐらいの汎用性があります。
ジャズとかでもよく使われるイメージがあります。
それと、私の「廃墟庭園」のイントロとか、「真夜中のアンブレラ」のサビとかも四度進行です。
つまり、こいつは便利だ! っていう進行なのですが
…そういうふうに便利すぎるのが問題だという話。

・半音進行
バスが「半音下行」を繰り返す

これは、ド→シ→シ♭→…というように、バスがひたすら半音下に下っていくだけ、という進行です(逆に上っていくパターンもありますが割愛)。
どこかもの悲しい響きがします。(半音進行をラメント・バスともいうそうです。うろ覚えですが)。
使いようによっては、こみ上げる想い、みたいな表現もできると思います。
特徴的なので、聴くとすぐに「あ、半音進行だ!」ってわかる感じ。

これは和音を乗せた実例を挙げるだけにしましょう。例によってイ短調で。

半音進行の一例



ラ(Am)→ソ#(Caug)→ソ(C)→ファ#(F#7-5)→ファ(Dm)→ミ(Am)→レ#(D#dim)
→(ミ(E))

※かっこ内のコードは便宜的なもの。
半音進行では、バスの進行だけ決まっていて上につける和音はかなり自由です。
この例はかなり暗いですが、つける和音によってはもっと違う雰囲気になります。
半音進行もかなり便利で、ちょっとこういう雰囲気出したい、ってときに使えます。
でもやはり便利すぎるのが問題で、使いすぎると曲がくどくなる……

以上、アバウトに解説しました。表現やら音楽理論的に間違ってる部分もあるかもしれません。
が、要するに言いたいことはひとつです、

四度進行も半音進行も便利だ

ということ。

迷ったときには使えるこの進行。でも便利すぎるので使いすぎには要注意。

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コメント 1

maniaimasuyouni

雨傘P、こんにちは。聴き専のmaniaimasuyouniです。

たしか、rainydayさんのどっかのプロフィールにあったと思うんですが、
北海道在住の方でしたよね?
大丈夫でしょうか?ご実家の方には帰れそうですか?(挨拶

--
(コード理論とか)
解説、お疲れ様ですw
廃墟庭園とか、夜空見る人のような実例があるために、
ああ、あれか、といった感じで
コード進行が分かりやすく理解できますねw

自分は楽器も弾けず、知識もなく、だけど曲を「聴く」上で
せめてコード進行くらいは聴き分けられると楽しいだろうなと思い、
http://homepage2.nifty.com/arigatch/sub06/top.html
のような、初心者向け(なんでしょうか?w 自分には難しいです><)
ページで勉強していたりします。

だけどやっぱり、実例のある音楽での説明の方が、ずっと理解が速いですね。
(John LennonのLet It Beのような分かりやすいものを解析したとき、
 感動に近いものを覚えました)

あっ、またペーペーの癖に蘊蓄を言ってしまいました。w
お許しください(土下座

--
お身体には、くれぐれもお気を付け下さい。
来年も(勝手ながら)楽しみにしています
by maniaimasuyouni (2008-12-27 13:47) 

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